「ちゃんと磨いてるつもり」が一番危ない!

予防とケア

「自分は歯磨きちゃんとできている」と思っていませんか?
では、その根拠は何でしょうか。

実は、歯磨きは誰からも正式に教わらないまま“自己流”で続けている人がほとんどです。
多くの場合、子どもの頃に親のやり方を見よう見まねで覚え、それが“自分の普通”として定着しているだけ。

でも、歯科医の視点から見ると——
「磨いている」と「磨けている」はまったくの別物。
どれだけ丁寧に磨いても、当たっていなければ汚れは落ちません。

シューパッパ
シューパッパ

正直にいえば「歯磨きを頑張ってる!」という時点でこの人あまり磨いてないかもと思ってしまいます。
なぜなら、普段から綺麗に磨いてる人は磨くのが当たり前で頑張ってる感覚なんてありません。笑

では、歯科医が考える「正しい歯磨きの技術」を身につけるには、どうすればいいのでしょうか?
この記事では、歯科医の立場から“本当に磨ける人”と“磨けていない人”の違いを解説します。


「磨いている」と「磨けている」は違う

そもそも“磨けている”とは、歯の汚れ(プラーク)がすべて綺麗に落ちている状態のこと。
しかし、自分ではそれを正確に判断することはできません。

毎日頑張って磨いていても、実際にどれだけ汚れが落ちているかは、第三者の評価によって初めてわかります
つまり、「自分は磨けている」と思っている状態こそ、もっとも危険なのです。

本当に磨けているかどうかを確かめる最初の一歩は、歯科医院で確認してもらうこと
プロの視点で、磨き残しの場所や磨き方の癖を知ることで、あなたの努力は初めて“正しい方向”に向かいます。

シューパッパ
シューパッパ

「自分は歯磨き頑張ってるのに、、、」
多くの患者さんから言われます。
しかし、大切なのは“どれだけ磨いているか”ではなく、“磨けているかどうか”。
あなたの努力を否定するつもりはありません。
その努力を正しい方向に結びつけることこそ重要なのです。


歯ブラシだけで落とせるのは“6割ほど”

歯ブラシで磨ける範囲は、実は限られています。
どんなに丁寧に磨いても、歯と歯の間や奥の隙間までは毛先が届きません。

だからこそ、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことが前提。
使っているのが“特別”ではなく、使わないと綺麗に磨けていないと考えた方がいいのです。

「毎日歯を磨いているのに虫歯ができる」——
その原因の多くは、実は“ブラシでは届かない部分”に潜んでいるのかもしれません。

フロスや歯間ブラシを取り入れることで、初めて本当の意味で“磨けている”状態に近づきます。

シューパッパ
シューパッパ

本題からは少しそれますが、歯磨き粉を選ぶポイントはフッ素が高濃度配合されているものがおすすめですよ。


磨き残しを“見える化”して自分の癖を知る

どれだけ丁寧に磨いても、人によって必ず磨き残しはあります。
その原因の多くは、「癖」。これは事実です。


右利きの人は右上の奥歯が磨けていなかったり、下の前歯裏を飛ばしていたりと、
自分では気づけない習慣的な磨き方の偏りがあるのです。

その“自分の癖”を知るために、染め出しというものがあります。
汚れ(プラーク)が残っているところが色で染まって、磨けてないところを見える化することができます。
どこが磨けていないのかを色で確認することで、
「ここを意識して磨こう」という自覚と改善の方向性が生まれます。

そして、その結果を踏まえて日々の磨き方を少しずつ修正していくこと。
それが、正しい歯磨き技術を身につけるための一番の近道です。

シューパッパ
シューパッパ

まず自分の歯磨きは完璧でないことを認めましょう。
自分だって全然磨けてない部分がありました。
歯科医師にだってあるのですから、何も恥じることはありません。


歯科医院は“歯磨き力”を高める場所である

*この部分とても大切です

多くの人は、歯科医院のメンテナンスを「歯石や汚れを取ってもらう場所」と思っています。
もちろんそれも大切な目的のひとつですが、
本来のメンテナンスの意義は自分の歯磨きの精度を高めることにあります。

歯科医院では、磨き残しの場所やブラシの当て方を確認し、
歯科衛生士が一人ひとりの口の形や癖に合わせて正しい磨き方を教えてくれます。
つまり、「きれいにしてもらう」だけではなく、「自分がきれいにできるようになる」ための時間なのです。

歯科医院に通うときは、
「お掃除してもらう日」ではなく「自分の磨き方をアップデートする日」と考えてみてください。
その意識の違いが、あなたの“歯磨き力”を確実に育てていきます。


まとめ|“磨いてるつもり”から少しだけ前へ

歯磨きは、誰もが毎日している習慣。
でもその“当たり前”の中には、思い込みや自己流の癖がたくさん隠れています。

大切なのは、「できていない」と責めることではありません。
「もしかしたら、もう少し良くできるかも」と思えること。
その小さな意識の変化こそが、あなたの歯を守る第一歩です。

歯科医院で磨き残しを見てもらうことも、フロスを使ってみることも、
どれも「完璧を目指す」ためではなく、「少しでも長く健康な歯を保つ」ため。
そして、それは誰にでもできることです。

毎日の歯磨きは、未来の自分へのプレゼント。
今日よりも少し丁寧に。
それだけで、あなたの口の中は確実に変わっていきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント等質問があれば、して頂けると嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました