子どもの歯が生えてくると、「歯磨きはいつから?」「歯磨き粉はどのくらい使えばいいの?」と迷う親御さんはとても多いです。私自身、歯科医院で一番よく聞かれる質問のひとつでもあります。

結構知らない人もたくさんいる印象です
「ちょっとでいいの?」「大人と同じでいいの?」──実は年齢によって適量は変わります。少なすぎるとフッ素の虫歯予防効果が十分に発揮されず、多すぎると子どもが飲み込んだと気にリスクがあるのです。
大切なのは、適切な量を知って、日々の歯磨きに取り入れることです。
この記事では、歯科医師の立場から 「年齢別の適切な歯磨き粉の量とフッ素濃度」 をまとめています。
これを知っておけば、毎日の歯磨きに自信が持てるはずです。
歯磨き粉はいつから使う?
目安は 歯が生え始めたらOK(生後6か月〜1歳ごろ)。
乳歯は生えたばかりの時期が最も虫歯になりやすいので、早めにフッ素を取り入れることが効果的です。
年齢別の歯磨き粉の量とフッ素濃度
歯磨き粉は「量」と「フッ素濃度」の両方を意識して選びましょう。
- 0〜2歳:米粒程度(1〜2mm)/フッ素濃度 500〜1000ppm
- 3〜5歳:グリーンピース程度(5mm弱)/フッ素濃度 500〜1000ppm
- 6歳以上:1cm程度/フッ素濃度 1000〜1450ppm
特に小さい子は飲み込むことが多いのでごく少量に。年齢が上がるにつれて量を増やし、大人と同じレベルに近づけていきます。
歯磨き粉が多すぎるとどうなる?
歯磨き粉をたっぷりつければ安心…というわけではありません。もちろんデメリットもあります。
- 飲み込みすぎのリスク:小さい子どもはうがいが上手にできません。フッ素を摂りすぎると「フッ素症(歯に白い斑点が出る)」につながることがあります。
- 磨き残しが出やすい:泡が多すぎると「磨いた気分」になってしまい、ブラシがしっかり当たっていないこともあります。
- 歯磨き嫌いになる:量が多いと味や刺激が強く、子どもが嫌がる原因になることも。
👉 適量を守ることが、虫歯予防にも習慣づけにも効果的です。

フッ素は摂取しすぎるもよくないので慎重に!
歯磨き粉はあくまで補助、基本は歯ブラシ
歯磨き粉はフッ素による虫歯予防をサポートしてくれますが、最も大切なのは 歯ブラシで汚れ(プラーク)をしっかり落とすことです。
歯磨き粉を使っていても、ブラッシングが不十分だと虫歯や歯肉炎を防ぐことはできません。
特に小さいうちは、仕上げ磨きで「ブラシがきちんと歯の面に当たっているか」を大人がチェックしてあげることが必要です。

フッ素をつけているからOK!ということではありません!!!
まとめ
子どもの歯磨き粉は、年齢に応じた「量」と「フッ素濃度」を守ることが大切です。
ただし歯磨き粉はあくまで補助的なもの。毎日の歯磨きでしっかりと汚れを落とすことが、虫歯予防の一番の基本になります。
「少なすぎず、多すぎず、そしてきちんと磨く」──この3つを意識するだけで、子どもの歯はぐんと守りやすくなります。今日からぜひ実践してみてくださいね。

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